「SPY×FAMILY」の第35話のあらすじと感想(ネタバレあり)
クルーズ船での一件が片付いたあと、一家はリゾート島で落ち合います。
ヨルの顔にはうっすらと腫れが残っていましたが、うまくはぐらかして誤魔化しました。
母娘で遊べることにアーニャは大喜びし、はしゃぐ我が子を眺めながらヨルは、
この穏やかな時間がいつまでも続いてほしいとしみじみ感じ入ります。
その後、海遊びは海中散歩から波乗りへと移りますが、
ヨルが力加減を誤ってアーニャの板を勢いよく押し出してしまう一幕も。
すかさずロイドが飛び出し、娘とボードを見事に受け止めて事なきを得ました。
はしゃぎ疲れて眠くなった母娘を両腕に抱え、ロイドは船へと引き返します。
任務に追われつつ娘の相手までこなした彼の労をねぎらう声がかけられ、ひと騒動あった船旅にも幕が下ります。
自宅に戻ると、留守番していたボンドが感激のあまり涙を流して出迎えます。
休暇明けの学校では、アーニャが豪華客船での体験を得意げに語ろうとしますが、
ベッキーには軽くいなされ、ダミアンたちからも冷やかされる始末。
悔しさのあまり話をどんどん盛ってしまうアーニャですが、周りは誰も耳を傾けていません。
そんな見栄っ張りな娘を、ベッキーがそっと優しく慰める場面で締めくくられます。
この話、派手な事件がない分、逆にじんわり効いてくる回だなと感じました。
前話までの殺し屋騒動や爆弾からの解放感もあって、
家族全員がただ「楽しい」を味わっているだけの時間が、こんなに尊く見えるのかと。
特にヨルの心情には胸を打たれます。
任務でもなんでもない、ただ娘の笑顔を見て「この平和がずっと続けばいい」と思う瞬間。
暗殺者としての人生を歩んできた彼女にとって、
こういう何気ない幸せこそが一番手に入りにくかったものなんじゃないかと想像すると、余計に重みを感じます。
ロイドが疲れた母娘を抱えて船に戻るシーンも、
スパイとしての彼ではなく、ただの「父親」の顔が見えて好きな場面です。
一方でアーニャの休暇自慢が空回りするくだりは、ちょっと切なくて笑えるところ。
子供らしい見栄っ張りさと、それを誰にも聞いてもらえない気まずさ、
そしてベッキーがそっと寄り添ってくれる優しさ。
豪華な体験をしたはずなのに、
結局大事なのは「誰かに認めてもらえること」なんだよなと、妙に共感してしまいました。
大人になっても似たようなことをやっている気がします。
全体として、スパイ・暗殺者・小さな超能力者という嘘だらけの家族が、
嘘のない瞬間の中でこそ本当の絆を育んでいく——このシリーズらしいテーマがコンパクトに詰まった、
静かだけど良い回だったと思います。