「SPY×FAMILY」の第37話のあらすじと感想(ネタバレあり)
ロイドに連れられて訓練に出たボンドですが、フランキーから叱られてすっかり落ち込んでしまいます。
実験動物として扱われていた過去の記憶がトラウマとして残るボンドは、
それを紛らわせるように予知能力で褒められようと一生懸命になりますが、なかなかうまくいきません。
そんな中、燃え盛る建物とその前で泣き叫ぶ女性の姿を予知したボンドは、
注意されたばかりにもかかわらず現場へ突っ走ってしまいます。
ただならぬ様子に気づいたロイドも後を追い、たどり着いた火災現場で、
二人は建物に取り残された子犬を救出し、さらに放火犯まで取り押さえるという大きな手柄を立てます。
この活躍は表立って誰かに知られることも称賛されることもありませんが、
心を読む力を持つアーニャだけはその一部始終を知っていました。
アーニャは手作りの「ステラ」をボンドとロイドに贈り、その働きをそっと称えます。
満足げな表情を浮かべながら眠るボンドの寝顔で物語は締めくくられ、シーズン2は幕を下ろします。
改めて振り返ると、この最終回はやはり「見えないところでの頑張り」がテーマになっていたんだなと感じます。 ボンドの活躍は、警察や世間に称賛されるわけでも、ニュースになるわけでもありません。
諜報の世界に生きる家族らしく、どんなに人の役に立ってもそれが表に出ることはない、
という構造がボンドにまで貫かれているのが、地味ながらもよく効いた設定だと思いました。
そのうえで、唯一その頑張りに気づいてあげられるのがアーニャだった、というのが胸に来ます。
心を読む力という、ある意味「ズルい」能力を持つアーニャだからこそ、
誰にも見えない努力を見つけて認めてあげられる。
手作りのステラという、ちゃちで不格好かもしれないけれど、精一杯の気持ちがこもったご褒美を渡すシーンは、この作品らしい優しさの形だなと感じました。
ボンド自身が「褒められたい」という欲求からではなく、目の前の命を救いたいという本能で動いた、
という点も良かったです。
トラウマを抱えながらも、打算ではなく衝動で正しい行動を取れるところに、
ボンドというキャラクターの芯の強さが表れていたと思います。
満足げに眠るボンドの寝顔で締めくくる終わり方も、派手な演出に頼らない静かな幸福感があって、
シーズン全体を締めるにふさわしいラストだったと感じました。
誰にも気づかれない優しさを、家族の中の誰かがちゃんと見ている――そんな構図が、
この作品の根っこにあるものを改めて感じさせてくれる回だったと思います。
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